一期一会——この出会いは二度とない


「一期一会(いちごいちえ)」という言葉があります。

もともとは茶道の世界から生まれた言葉で、「この茶会は一生に一度のもの」という心構えを表したものです。しかし、その本質は茶室に限りません。

出会いの尊さ

今日、あなたが出会った人、交わした言葉、ふと目に留まった景色——それらはすべて、二度と同じかたちでは訪れません。

昨日と同じ顔で向かい合っていても、その人は昨日とは違う人です。あなた自身も、昨日とは違う。川の水が絶えず流れるように、すべては変わり続けています。

これを仏教では**諸行無常(しょぎょうむじょう)**と言います。

無常は悲しいことか

「無常」と聞くと、もの悲しい響きがあります。しかし、無常であるからこそ、今この瞬間が輝きを持つのではないでしょうか。

桜の花が美しいのは、散ることを知っているからかもしれません。

日常の中の一期一会

特別な場所に行かなくても、一期一会は日々の暮らしの中にあります。

朝、家族と交わすひと言。縁側から見える庭の草花。お参りに来てくださった方の手を合わせる姿。

そのひとつひとつを「二度とない出会い」として受け取るとき、暮らしは少し丁寧になります。

合掌